「原始林」の誌面より(2022年3月)

2022年3月号  

≪ 連載 ≫

歌集散策                 井原 茂明

          

  高野公彦歌集 『 水の自画像 』 ( 2 )

   高野公彦は宮柊二に師事し今は「コスモス」の編集人であり朝日歌壇の選者である。

   工業高校を卒業し職に就いていたが退職し、東京教育大学文学部に学んでいる。

   歌集『水の自画像』は高野の第十六歌集であり2019年1月(令和元年)から

   2021年5月(令和3年)までの作品群で構成されている。今回は2回めを紹介する。


大海人のこゑ去りゆきてカフカ忌の名歌を詠みし近江びとのこゑ  ( 近江回遊 )

淼淼と近江は水を湛へたりうろくづのために諸人のために     (   〃  )

ガリラヤの湖上あゆみし人の影無くて琵琶湖に浮かぶ鳰どり    (   〃  )

日常の些事は一生を豊かにす茄子煮が上手く出来たことなど      ( とはの棄郷  )

江戸川の水ははるけき伊予灘につながりて我はとはの棄郷者    (   〃  )

秋雲の和羽の下を歩みつつ晩熟といふ言葉を愛す         (   〃  )


≪特別企画≫

   風土の歌  「石狩地方の歌」  

              佐々木 信子    矢島 満子

≪ 特集 ≫

       「私の気になる歌人」

                  井原 茂明  「 額田王 」      

≪ 寄稿 ≫

  中山周三の歌一首鑑賞    『陸橋』から

               佐藤 美幸  浜元 淳子  いしき よしこ

  扉 「古歌にひたる」   中野 正幸

  扉 「疫病の話」     竹田 絹子

  歌ができるとき      大口 ひろ美


初めて作った歌  (146)  伊藤 陽子

※ 第23回中山周三賞作品募集  未発表作品 30首

   対象者  原始林同人・会員    令和4年3月31日締め切り

        

〇 原始林本社歌会のご案内 〇

  日時    3月27日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター 会議室A(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    3月23日(水)厳守

  会費    300円

  

  初心者の方も遠慮なくご参加ください

原始林社

原始林社

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