2022.07.25 09:17「原始林」の誌面より(2022年7月)2022年7月号 ≪ 連載 ≫歌集散策 井原 茂明 川野里子歌集 『天窓紀行』 ( 1 ) 川野里子は大分県竹田市生れ。結社誌「かりん」の編集委員である。若山牧水賞、 読売文学賞を受賞。葛原妙子に関する評論集は圧巻である。 この短歌日記が紡がれた2020年はコロナ禍初年の年であり、この文章を書いて いる2022年4月にあってその終息の兆しはみえていない。 「空を見上げると何事もなく雲が流れてゆく。人間はなんと激しい旅を続けている ことだろう」とあとがきに記している。その旅はまだまだ続く。 ここでは『天窓紀行』より、短歌作品及び作品各々に付記された散文を選び出し 前半と後半に分けて紹介する。 ...