「原始林」の誌面より(2025年4月)

2025年4月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

  小島ゆかり『はるかなる虹』(1)

 

 小島ゆかりは1956年生れ。コスモス短歌会の選者、編集人。『はるかなる虹』は第16歌集である。2020年歳晩から2024年新春までの作品のなかから468首を収めている。

今回はその(1)について紹介する。


茹であげて毛ガニをひらく刻々を窓に迫れる夕雲のむれ      (アプリと穴)

できかけの歌を画面に並べをり古獺の祭りのごとく        (  〃  )

枯原をひとり行くとき天空は穴なりふりあふぎてはならず     (  〃  )

捨てどころなくてしばらく持ち歩く空き瓶のなかの今日のゆふやみ ( 豆乳鍋 )

豆乳鍋食べて白濁するやうなからだ かなしい哺乳類のからだ   (  〃  )

このごろは昔ふう煮干しだし流行りその人びとをニボラーと呼ぶ  ( ニボラー)

夕雁のごときさびしさよく聞くがよくわからない言葉が増えて   (  〃  )


原始林賞受賞作品

        「無情の雪」        岡本 優子

        「われを導くもの」     長田 直美

≪松川 洋子 追悼≫

        遺影 略歴 松川洋子初期の歌 最後の歌

        

        松川洋子先生のこと       佐野 書恵

        松川洋子先生を偲んで      井原 茂明

        松川先生小感          大家  勤

        追悼文    筒井裕子  村田正則  高瀬請子

        松川洋子先生追悼歌       二十氏


≪ 寄稿 ≫

 

最近の総合誌より

      上澤 孝二 

歌ができるとき

      薄根 弘

中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から

      たまだ裕子  土蔵寛二 星野香代子

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    4月27日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター  視聴覚室

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    4月23日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円


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