2025.03.14 10:14「原始林」の誌面より(2025年4月)2025年4月号 ≪ 連載 ≫ 歌集散策 井原茂明 小島ゆかり『はるかなる虹』(1) 小島ゆかりは1956年生れ。コスモス短歌会の選者、編集人。『はるかなる虹』は第16歌集である。2020年歳晩から2024年新春までの作品のなかから468首を収めている。今回はその(1)について紹介する。茹であげて毛ガニをひらく刻々を窓に迫れる夕雲のむれ (アプリと穴)できかけの歌を画面に並べをり古獺の祭りのごとく ( 〃 )枯原をひとり行くとき天空は穴なりふりあふぎてはならず ( 〃 )捨てどころなくてしばらく持ち歩く空き瓶のなかの今日のゆふやみ ( 豆乳鍋 )豆乳鍋食べて白濁するやうなからだ...