「原始林」の誌面より(2025年1月)

2025年1月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

  吉川宏志歌集  『雪の偶然』 ( 5 )

   吉川宏志は1969年生れ。宮崎県出身。塔短歌会主催。前川佐美雄賞、寺山修司短歌賞

   などを受賞。歌集『雪の偶然』で第58回迢空賞を受賞。2015年から2022年までの

   作品、555首が収めてある。今回はその(5)である。


 うしろむく人の眼鏡ははみ出せり冬の夕焼そこに溶けゆく     (うしろむく人)

 道すべて封鎖されたる武漢にも梅咲きおらむ映されざりき     (   〃  )

 ゆうぐれに見えざるものを洗いゆく指のあいだに指を入れつつ   (みなし子、水面)

 仏像を見ぬまま春は過ぎゆけり指のあいだに滲める闇も      ( 紅蜀葵  )

 忘れつつ思い出しつつ人の死を生きてきたりぬ 紅蜀葵咲く    (   〃  )

 萩の寺に炎天ながら入りゆきぬ緑の枝は敷石を擦る        ( 眼状紋  )


【 特別作品 】

  村田俊秋 井原茂明 大朝暁子 雅陽 川村悦子 鈴木紀子 台野登代子 

  竹内いく子 千葉悦子 中田慧子 原田哲男 福浦佳子 明美智子 鷲巣純子 

  渡辺民江 有田絢子 上澤孝二 大熊桂子 大家勤 宮川桂子


≪ 寄稿 ≫

    最近の総合誌より  

          磯石 万里

    歌ができるとき

          小林 正子

    初めて作った歌 (173)

          駒田 貴子

        

    中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から

          田中 幸枝  半田 秀夫  米倉 勝彦

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    1月26日(日) 午後1時

  ところ   新札幌アークシティホテル4階(アカシア)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    1月22日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    500円

  新年懇親会のご案内

        歌会後 5時より アークシティホテル  会費 七千円

        初心の方も遠慮なくご参加下さい

     

0コメント

  • 1000 / 1000