2022.11.28 10:48「原始林」の誌面より(2022年11月)2022年11月号 ≪ 連載 ≫ 歌集散策 井原 茂明 小島ゆかり歌集『 雪麻呂 』 (3) 歌集『雪麻呂』は小島ゆかりの十五冊目の歌集である。2018年夏から2020年秋までの作品のなかから、451首が収めてある。今回はその(3)について紹介する。ポケットの鍵をさぐれば霜月のそらのとほくがちりんと鳴りぬ ( 哲学と株 )おほき柿食べつつおもふ生涯にかかはらぬ哲学と株 ( 〃 )金毛のせなか息づき密を吸ふ熊蜂みれば太陽は照る (パンデミック)パンデミックのひびき弾めりはじめから人を踊らす言葉のごとく ( 〃 )そして秋 空もひとつの武蔵野に早馬のごとき風の音...