「原始林」の誌面より(2025年6月)

2025年6月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

  小島ゆかり『はるかなる虹』(3)

  小島ゆかりは1956年生れ。コスモス短歌会の選者、編集人。『はるかなる虹』は第16歌集である。2020年歳晩から2024年新春までの作品のなかから468首を収めている。

 今回はその(3)について紹介する。

 

 落葉にふりつつまれてこんなにも老いぼれてわが愛する母あり (真冬のシンフォニー)

 クリスマスのラウンドケーキもう買はず真冬のシンフォニーが聞こえず (  〃  )

 〈よみがへり日和〉と言はん冬の陽のさんさんとけふ父に会ひたし (よみがへり日和)

 水桶のしじみ身じろぐ気配してつやつやと濃き大寒の月        (  蜆  )

 ベビーカーはさくらの下に いくたびも生まれかはりてみどりごねむる

                           (ベビーカーはさくらの下に)

 反戦ははるかなる虹見えながら指さしながらだれも触れず    ( はるかなる虹 )


 中山周三賞受賞作品

    「サンダーソニア」     加藤幾予乃

    「 透明な時 」      山内 美絵

  選考経過  選後感

  

  原始林賞受賞作品評

      雅 陽     千葉 悦子          

≪ 寄稿 ≫

 

  最近の総合誌より

      髙橋 知義

  初めて作った歌 (176)

      山口 正二

       

  歌ができるとき

      執行 裕子

  中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から

          鈴木 重統  西井 健治  笹原 子墨

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    6月22日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター  視聴覚室

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    6月18日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

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