「原始林」の誌面より(2022年2月)

2022年2月号  

≪ 連載 ≫

 歌集散策               井原 茂明     

  高野公彦歌集 『 水の自画像 』 ( 1 )

  高野公彦は宮柊二に師事し今は「コスモス」の編集人であり朝日歌壇の選者である。

  工業高校を卒業し職に就いていたが退職し、東京教育大学文学部に学んでいる。

  

   歌集『水の自画像』は高野の第十六歌集であり2019年1月(令和元年)から

  2021年5月(令和3年)までの作品群で構成されている。今回は5回に分けて紹介する。


 ふるさとは帰る家なし伊予の海も伊予びとたちも優しきものを  (天使の滝)

 家々に極楽落しありしころスマホ無かりき乞食の居りき     (極楽落し)

 焼いて、煮て、炒めて、漬けて、茄子を食ふ変格活用動詞の如く ( 〃  )

 水軍の船往き来せし伊予灘のほとりに白しイカタサウルス (白き巨獣イカタサウルス)

 年寄のふりして生きてをりますが生存欲あり色欲もある     (世界樹)

 水べにてトランペットを吹く青年俯角で吹いて仰角で吹く    ( 〃 )

 和歌短歌どふ違ふのか思へらく和歌は星ぞら短歌は宇宙     ( 〃 )


≪ 特集 ≫

「私の気になる歌人」

          大家 勤  長田 直美  有田 絢子  浅野 大愚

≪ 寄稿 ≫

 最近の総合誌より      滝野 正子

 中山周三の歌一首鑑賞    『陸橋』から

               明星 敦子  田家万里衣  中野 正幸

 歌ができるとき       小澤  友子   


 初めて作った歌  (145)  岡崎 光子

  *第23回中山周三賞作品募集    


◎原始林本社歌会のご案内

 日時    2月27日(日) 午後1時

 ところ   厚別区民センター 会議室A(厚別中央1-5)

 詠草    雑詠 1首(ハガキ)

 送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

 連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

 締切    2月23日(水)厳守

 会費    300円

 

 初心者の方も遠慮なくご参加ください

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