2026.02.23 06:01「原始林」の誌面より(2026年2月)2026年2月号 ≪ 連載 ≫ 歌集散策 井原茂明 永井陽子歌集『ふしぎな楽器』 永井陽子は1954年生れ。2000年死去、享年48歳。歌集に『樟の木の歌』、 『ふしぎな楽器』,『モーツァルトの電話帳』、『小さなヴァイオリンが欲しくて』 などがある。『樟の木のうた』は永井陽子三〇歳のときの歌集である。 若くして父を失い、母と二人の暮しの中、私性を遠ざけ非日常の世界に韻を刻む。 作品は石川美南編の『永井陽子歌集♯』より選び出した。「ふしぎな楽器」について紹介 する。 山ぎはをとろとろ月はのぼり果て蒟蒻村まで四里さらに四里 (Ⅰ) 桃ノ木もひな人形も月光もこの世にあればみななまぐさし (Ⅰ) 梅雨晴れのふ...
2026.01.17 03:20「原始林」の誌面より(2026年1月)2026年1月号 ≪ 特別作品 ≫ 十五首 十五氏 (白楊集歌人)≪ 連載 ≫ 歌集散策 井原茂明 永井陽子歌集『樟の木のうた』(2)永井陽子は1954年生れ。2000年死去、享年48歳。歌集に『樟の木の歌』、『ふしぎな楽器』,『モーツァルトの電話帳』、『小さなヴァイオリンが欲しくて』などがある。『樟の木のうた』は永井陽子三〇歳のときの歌集である。若くして父を失い、母と二人の暮しの中、私性を遠ざけ非日常の世界に韻を刻む。作品は石川美南編の『永井陽子歌集♯』より選び出した。今回はその(2)について紹介する。鳩は歳をとらずや刻を読みたがへずやにはかに暗し時計の背後 ( 秋の鋼 )虫の音はしづみかぎりもなくしづみ月は...