2020年6月号の誌面より
≪ 連載 ≫
歌集散策 近藤かすみ歌集『 花折断層 』(1) 井原茂明
近藤かすみは「短歌人」、「鱧と水仙」に所属する京都在住の歌人である。
第一歌集『雲が畑まで』をもって第三十八回現代歌人集会賞を受賞している。
今回紹介する『花折断層』は第二歌集であり、三回に分けて紹介させていただく。
置きざりの鞦韆おほふ草いきれの花折断層むかし遊びき 『花折断層』
(花折断層は滋賀県今津町から京都市左京区に至る断層である。)
ひこばえの萌ゆる柳の枝先は鶫ひとつの重みに撓る (雲とわかれて)
雨あがりの社の参道まつすぐにフィトンチッドは書物のかをり (夏椿)
指とゆび出会ひがしらに譲りあふシュガーポットの銀色のうへ (シュガーポット)
死ぬ前の数分間の顛末を見るかもしれぬ青いカーテン (青いカーテン)
死ぬことは眠りのつづき一瞬に旗ひるがえす八月の風 (八月の風)
ひと文字のために二行となる歌をかなしむ読めり二行目の「り」を (り)
中山周三賞受賞作品
「冬の扉」 千葉 悦子
「石狩川」 竹内いく子
「広き世界へ」 磯石 万里
*選考経過 受賞のことば
候補作品
長田 直美 「ひかり」 今井 明美 「コタンカムイ」
渡部 愛 「道しるべ」 阿部 須美 「病床に在りて」
滝野 正子 「ダムに消ゆ」
≪寄稿≫
最近の総合誌より 大熊 桂子
中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』 から
今井 明美 安達 万里 東 十八子
初めて作った歌(127) 菅原 武彦
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【 原始林札幌本社6月歌会開催のお知らせ 】
日 時 6月28日(日)午後1時
ところ 厚別区民センター(厚別中央1-5)2階 会議室
詠 草 雑詠 一首(ハガキ FAX可)
送り先 069-1342 長沼町東町北1-3-14
千葉 悦子 宛
☏ ・FAX 0123-88-4212
締切 6月24日(水) 厳守
歌会費 300円
通常、第4日曜日に開催。初心の方も遠慮なくご参加下さい。
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【 令和二年 原始林大会(予告) 】
開催日 令和2年10月18日(日)
会 場 アークシティホテル * JR新札幌駅直結
(札幌市厚別区厚別中央2条5丁目6-2)
☏ 011-890-2525
懇親会会場 同所
詠 草 雑詠 一首
締 切 7月31日(金) 必着
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