「原始林」の誌面より(3月)

2020年3月号の誌面より 

≪ 連載 ≫

 歌集散策  笹井宏之歌集 『 てんとろり 』   井原茂明

 『てんとろり』は笹井宏之の第二歌集である。そして、遺歌集である。

 2009年 26歳逝去 夭折の歌人であった。

 高校生の頃から重度の身体表現性障害という症状を持つ。2006年ご5月から

 亡くなるまでの作品より451首が選び出されている。

 編集は師である歌人の加藤治郎。笹井は2007年に未来短歌会に入会未来賞を

 受賞した。

 

  こころにも手や足がありねむるまえしずかに屈伸運動をす    (飛ぶもの)

  ばらばらになったおとこへ文庫本カバーのような犬が寄り添う  (きんいろきりん)

  国境のどうぶつたちを染めてゆく あれは夕日よね、夕日よね(国境のどうぶつたち)

  てのひらに縫いつけてある冬に日をあなたのほそいゆびがほどいた  (てんとろり)

  甲羅からピアノの音がきこえます 亀だとおもいます ショパンです 

                               (ななしがはら遊民)

 

≪ 特別企画 ≫

   風土の歌 「留萌地方」  加藤 幾予乃

≪ 特集 ≫

  「災害の歌」を読む     丹羽 雅子

≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より     ― 松野  孝 ―

  歌ができるとき      ― 長野 たつゑ ―


  中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から 

  水谷 紀生  室谷 和子  渡辺 恵美子  


第二十一回 中山周三賞 作品募集要項

  対象者   既往の受賞者を除く、全会員(同人、会員)

  作品数   未発表作品  30首(一通)

        原稿用紙三枚(B4判、またはA4判)、パソコンの場合A4用紙一枚

  締切    令和2年3月31日

  送付先   069-0862 江別市大麻栄町30-15 大朝暁子 宛


【三月原始林本社歌会中止のお知らせ】

  三月の原始林本社歌会は新型コロナウイルス蔓延により中止します。

  尚、 四月の歌会開催については四月の原始林誌にてお知らせ致します。

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