「原始林」の誌面より(2024年11月)

2024年11月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

  吉川宏志歌集  『雪の偶然』 ( 3 )

   吉川宏志は1969年生れ。宮崎県出身。塔短歌会主催。前川佐美雄賞、寺山修司短歌賞

   などを受賞。歌集『雪の偶然』で第58回迢空賞を受賞。2015年から2022年までの

   作品、555首が収めてある。今回はその(3)である。


共謀罪を疑われしとき火のそばにペテロは言へり「其の人を知らず」 (火のそばに)

家に隠れ外を見ていし虫籠窓 縞なす光を床に踏みにき       (  〃  )

グリーグのピアノの曲のなかにある夕暮れを聴く 短きものを    ( 龍眼  )

「顛末」は不思議な言葉 夜の更けの会社に帰り顛末書を書く    (  〃  )

溶けてゆく蝋にみずからを映しつつ炎は立てり死とのさかいに  (ソルティドッグ)

母の死に逢うための旅 雨霧がゆうべの谷にしずみゆく見ゆ     ( 梨の汁 ) 

もう息は帰ってこないのに口をこんなに大きくあけて 母さん    (  〃  )

≪ 特別企画≫

     風土のうた 「北海道の歴史の歌」 (地名)

            たまだ 裕子

≪ 特集 ≫

     身体感覚の歌

            磯石 万里

≪ 寄稿 ≫

     最近の総合誌より  

            有田 絢子

     初めて作った歌(172)

            草薙 正子

        

     中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から

            戸田 京子  三上まゆみ  宮崎 靜恵

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

* 10月本社歌会は休みです。11月は下記の通り開催します。

  日時    11月24日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(新札幌駅下車)   2階 会議室A

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    11月20日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

        初心の方も遠慮なくご参加下さい

     

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