「原始林」の誌面より(2024年12月)

2024年12月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

  吉川宏志歌集  『雪の偶然』 ( 4 )

    吉川宏志は1969年生れ。宮崎県出身。塔短歌会主催。前川佐美雄賞、寺山修司

   短歌賞などを受賞。歌集『雪の偶然』で第58回迢空賞を受賞。2015年から2022年

   までの作品、555首が収めてある。今回はその(4)である。


夕影の貼りつく襖を抜けてゆく ふりかえったら母がいない   (  放生院  )

しばしばも隠されて来し『アッツ島玉砕』見つ黄土色の死を     (藤田嗣治展その他)

白舟のように女はねむりおり画家の年譜にその死短く      (   〃   )

思い出すたびに夕陽が透けてくる楤の芽を母と摘みし山道    (  野 宮  )

山襞をうずめうずめて雪降りぬ美馬牛、と言われ聞き返したり  (  美馬牛  )

紙束を運び続けし夜の明けて軍手の指に穴があきたり      (  夜 業  )


≪ 原始林大会  ≫

     原始林大会の記         山内 美絵

     互選高得点歌評         加藤幾予乃

    

≪ 寄稿 ≫

 最近の総合誌より  

        滝野 正子

  歌ができるとき

        村上 玲子

        

中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から

        阿部江津子  且股 力雄

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    12月22日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(新札幌駅下車)   2階 会議室A

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    12月18日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

        初心の方も遠慮なくご参加下さい

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