「原始林」の誌面より(2024年5月)

2024年5月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策          井原茂明 

森垣岳歌集 『遺伝子の舟』 (1)


 森垣岳は「ヤママユ短歌」に所属し、兵庫県の農業高校の教師である。

 第二回現代短歌社賞を受賞している。歌集『遺伝子の舟』について紹介する

 その(1)である。


 湿り気の残る堆肥を一斉にまけば華やぐ大地の匂い     (栽培実習)

 新月の夜更けに土をかき分けてゾンビのごとき胡瓜の発芽  (  〃 )

 虫喰いの胡瓜の苗を捨てながら叶わぬ恋の歌をうたえり   (  〃 )

 産みたての朝の光を培養し夜毎グラスに入れて飲むべし   (生物工学)

 パンジーの幾万本も廃棄されて週末明るい死で満ちている  (  〃 )

 草引きを終えた生徒が振り返り「先生僕に母はいないよ」  (農業教育概論)


≪ 特別企画 ≫

   風土の歌    村田 正則    「北海道の歴史の歌」

            山下秀之助歌集 『冬日』 『雪雲』 から

≪ 特集 ≫

   書架の一冊

           今村朋信  沈黙の『春日井健 全歌集』

           中田慧子  『全日本歌人名鑑 第一集』

           たまだ裕子 『ほっかいどうの短歌100首

                   三十一文字が紡ぐ北の律動』

           磯石万里  高田保馬歌集 『ふるさと』

           丹羽アヤ子 『沖縄いまも戦場』 高橋三枝子著 

           中野正幸  評論集『山河慟哭』  前登志夫著

≪ 特集 ≫

     身体感覚の歌

          川村 悦子

    

≪ 寄稿 ≫

      最近の総合誌より

             有田 絢子

      中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から 

             髙岡 公子  梶原 佑倖  東十八子

      歌ができるとき

             阿部 江津子 

      

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    5月26日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    5月22日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

        初心の方も遠慮なくご参加下さい

     

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