「原始林」の誌面より(2023年10月)

2023年10月号  

≪ 連載 ≫

  歌集散策  

      米川千嘉子歌集  『雪岱が描いた夜』 (3) 井原茂明


   歌集『雪岱が描いた夜』は、米川千嘉子の第十歌集である。2018年から

   2021年の作品。日々新しい眼差しをもって時代と人間をみつめたいという

   米川である。今回はその(3)について紹介する。


ドローンは〈貧者の武器〉なり貧者にも持てるといふこと希望だといふ (希望、無限)

不眠の夜はいのち濃き夜とおもふべし渦巻く悔いのなかの若き日    ( 不眠  )

風邪ひけばひとの悲しみわが悔いも寸馬豆人あたたかき冬       (寸馬豆人 )

一本足でどろどろの沼に立つわれはさびしいといふ声にこたへず    (  〃  )

鳥たちがもてる磁石をうらやみて方向音痴冬岸をゆく         (  〃  ) 

山雀はあかるい茶色の胸をもち若き日の一点からわれに問ふ      ( 山雀  )


≪特別企画≫ 

  風土の歌 「牧場の歌」

           宮川 桂子   中野 正幸 

≪ 特集 ≫

  「私の気になる歌人」   

          佐藤 美幸

                        

≪ 寄稿 ≫

 最近の総合誌より    

          上澤 孝二

 歌ができるとき 

          水谷 紀生

 初めて作った歌(162)

          半田 秀夫

 

 中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

       

          大野 明子     伊藤 陽子 

      

【 原始林本社歌会のご案内 】

*10月歌会はありません。次回は11月です。

  日時    11月26日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    9月22日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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