「原始林」の誌面より(2023年5月)

2023年5月号  

≪ 連載 ≫

  歌集散策                 井原 茂明

          

佐藤道雅歌集  『岸辺』 (2)


 佐藤通雅は1943年岩手県生れ。歌人、評論家、児童文学者。「路上」発行人。『強霜』で詩歌文学館賞受賞。『岸辺』は佐藤の第12歌集である。2017年から2021年にかけて詠んだ作品が収められている。佐藤が今住んでいる仙台市青葉区域に、サイカチ沼、月山池がある。歌集名の由来であろう。今回はその(2)について紹介する。


 老いの懸命を読み進めつつ折々は胸のうへに置く『柿生坂』一冊   ( 和 紙 )

 噫、けふも無事に終はつたと感謝して消灯をするときの雪の音    ( 雪の音 )

 岸辺にはなにか聖書の感じ在り帽とり額に水の光当つ        ( 岸 辺 )

 老いゆくは抽象へ向かふことならむこの頃哲学書が次々解ける    ( スズメ )

 「青い波寄せてくる波」一行を悔いたる人もその後罷りぬ      ( 勝 訴 )

 

≪特別企画≫

  風土の歌    「 牧場の歌 」

                    千葉 悦子   村山 朝子

≪ 特集 ≫ 

  書架の一冊

 

       髙橋 知義   矢沢歌子歌集 『私雨』 雑感

       小林 明美   小島ゆかり歌集 『泥と青葉』

       東 十八子   小池光歌集  『思川の岸辺』

       山内 美絵   木下龍也 『あなたのための短歌集』     


「私の気になる歌人」

     

      水谷 紀生    ―河野裕子-

   

      星野香代子    ―上皇后美智子様の御歌―

                           

≪ 寄稿 ≫

   最近の総合誌より

              磯石 万里

   歌ができるとき        

              村田 正則

   初めて作った歌(158)

              大熊 桂子

   中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

              西出 嘉壽子

  「追悼 川口雅子さん」

           明星 敦子

       

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    5月28日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    5月24日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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