「原始林」の誌面より(2023年6月)

2023年6月号  

中山周三賞受賞作品  「 厨にて 」   岡本優子

              受賞のことば   選考経過

    

    候補作品    佐藤美幸「娑婆の片鱗」  加藤幾予乃「モルエラニ」

            駒田貴子「マスク」    髙橋知義「朔太郎の街」

            三浦公佐子「八手・柊」

≪ 連載 ≫

  歌集散策                 井原 茂明

          

佐藤道雅歌集  『岸辺』 (3)


 佐藤通雅は1943年岩手県生れ。歌人、評論家、児童文学者。「路上」発行人。

 『強霜』で詩歌文学館賞受賞。『岸辺』は佐藤の第12歌集である。2017年から2021年にかけて詠んだ作品が収められている。佐藤が今住んでいる仙台市青葉区域に、サイカチ沼、月山池がある。歌集名の由来であろう。今回はその(3)について紹介する。


  思ひ出しまた思ひ出す速さにて薄草色の毛糸を編んでゆく    (ネムの木の根元)

  かなしみのいつぱいだつたデデムシの殻もいまではこんなに軽い (   〃   )

  ゴミ袋両腕にして坂道を下らむときのこの渡世感        (  居合力  )

  長い列のひとりとなりて水を待つそこに吹雪あり頬を打ち据う  (  歳 月  )

  誰いふとなく枯れ枝を集め来て大鍋に湯を沸かしたりけり    (   〃   )

  師といふを持たざるわれはヒメツバキ一枝折りきて卓上に置く  ( 白スイセン )


  原始林賞受賞作品評  

          竹内 いく子   千葉 悦子                          

≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より

           荒木八州男

  歌ができるとき        

           坂東 尚子

 

  中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

          松岡 怜子  岡崎光子  薄根 弘

       

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    6月25日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    6月21日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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