「原始林」の誌面より(2023年4月)

2023年4月号  

 原始林賞受賞作品   「 月光の祈り 」   川村 悦子

            「街川の緩き流れに」  原田 哲男

≪ 連載 ≫

      歌集散策                 井原 茂明

          

佐藤道雅歌集  『岸辺』 (Ⅰ)

佐藤通雅は1943年岩手県生れ。歌人、評論家、児童文学者。「路上」発行人。『強霜』で詩歌文学館賞受賞。『岸辺』は佐藤の第12歌集である。2017年から2021年にかけて詠んだ作品が収められている。佐藤が今住んでいる仙台市青葉区域に、サイカチ沼、月山池がある。歌集名の由来であろう。今回は3回に分けて紹介する。


 緬羊が緬羊の貌して近づいてわれに聖なることいはむとす      ( 緬羊 )

 自分だけが苦を負つてゐるといひたげな雲一塊が空にとどまる    (逆編年体)

 薄氷の底ひを鯉の錆色の背の量感が滑りゆきたる          ( 雪虫 )

 六年を過ぎ海際の砂掻くを無駄とはいへずいふてはならぬ      ( 月命日)

 長崎忌コーラスをまづかなしまむそして「混葬」の一語かなしまむ  ( 黙秘 )

 まんづまんづ しとりでよーぐ きたごだと祖母は幼を迎へくれたり (まんづまんづ)

 

≪特別企画≫

  風土の歌    「 牧場の歌 」

               福浦 佳子   竹内 いく子

≪ 特集 ≫        

  「私の気になる歌人」

       有田 絢子 ― 『ジャーナリスト与謝野晶子』松村由利子著 から

       佐々木信子 ― 島田 修二  『花火の星』 『青夏』 『冬音』から 

       大熊 桂子 ― 穂村 弘 『水中翼船炎上中』 『シンジケート』から

        

                    

≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より

           黒川 雅陽

  歌ができるとき        

           西井 健治

  中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

           鈴木 重統    川村 悦子 

        

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    4月23日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    4月19日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

     

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