「原始林」の誌面より(2023年3月)

2023年3月号  

≪ 連載 ≫

     歌集散策                 井原 茂明

          

渡辺松男歌集  『牧野植物園』 ( 4 )


渡辺松男は「歌林の会」の会員であり、迢空賞をも受賞した実力派歌人である。

『牧野植物園』は渡辺の第十歌集であり、2016年の作品集である。コロナ禍以前の作品になる。多くを記憶と想像で詠んでいるというが、その想像の部分にどこまで近づけるか、そして納得できるかがたのしみでもあり怖さでもある。今回はその四回目の紹介。


みんなちがつてみんないいけどみな急ぐスクランブル交差点が日溜りなのに(日溜り)

土佐の牧野植物園へ飛ばしたり日差しとなりてわたしのからだ    (牧野植物園)

さくら森風に波状をなしてをりくねーるくねーる集団憑依        (さくら)

をかしさはあはれに通じ相似なる蟷螂の貌露草の花          (入口出口)

箸おきぬだれもがひとりとわれひとりおもひてゐたるごとくひつそり    ( 食)

いまは亡きひとりおもへば筆の先なづるがごとくしづかなる雨  (さかひのシアン)


≪特別企画≫

             風土の歌    「 牧場の歌 」

               荒木 八洲男   加藤 幾予乃

≪ 特集 ≫        

            「私の気になる歌人」

                       矢島 満子  

                    

≪ 寄稿 ≫

    最近の総合誌より

              大熊 桂子

  歌ができるとき        

           村田 千江

    中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

           磯石 万里   菊池 正昭   髙橋 文子    

        

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    3月26日(日) 午後1時

  ところ   大麻公民館 江別市大麻中町26―7 視聴覚室

            電話 011-387―3120

                            * 今回のみ会場が変更になりました。ご注意下さい。

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    3月22日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

     

原始林社

原始林社

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