「原始林」の誌面より(2022年8月)

2022年8月号  

≪ 連載 ≫

歌集散策                 井原 茂明

          

 川野里子歌集 『天窓紀行』 ( 2 )

   川野里子は大分県竹田市生れ。結社誌「かりん」の編集委員である。若山牧水賞、

  読売文学賞を受賞。葛原妙子に関する評論集は圧巻である。

   この短歌日記が紡がれた2020年はコロナ禍初年の年であり、この文章を書いて

  いる2022年4月にあってその終息の兆しはみえていない。

   「空を見上げると何事もなく雲が流れてゆく。人間はなんと激しい旅を続けている

  ことだろう」とあとがきに記している。その旅はまだまだ続く。

   ここでは『天窓紀行』より、短歌作品及び作品各々に付記された散文を選び出し

  前半と後半に分けて紹介する。


 濁流のなかに老母を残さずによかつた死なせてよかつた

 吊り橋のやうに連なる哀しみのひとすぢ架かる子を持ちてより

 それはわたしから溢れた真つ黒な重油で集めるべきなりわたしが

 ただいまと言へばかすかに揺れをりし揺り椅子止まる ただいま空き家

 夜のビルのガラスのなかに人ひとり働きてをり漂ふ匣に

 ゲラに書く赤字いびつな花いくつ咲かせて今日の仕事は終はり

≪ 特集 ≫


「 戦争の歌 」を読む

   

  西井 健治   半田良平歌集『幸木』 北原白秋「多磨」(36・8)「執行」から

  滝野 正子   NHK 『現代万葉集』 栗木京子『現代女性秀歌』 他 から

  丹羽アヤ子   『昭和万葉集』巻六・七 から

  三浦公佐子   「短歌研究」六月号  竹山広『とこしへの川』 

          栗木京子『現代女性秀歌』


「令和四年原始林大会ご案内・歌碑記念祭ご案内」

 令和四年原始林大会

  日時 令和4年10月16日(日) 受付開始9時30分

  会場 札幌アークシティホテル(JR新札幌駅直結)

     札幌市厚別区厚別中央2条5丁目6-2

     ℡ 011・890・2525

  行事 総合歌会  10時~17時

  詠草 未発表作品1首  締め切り  7月25日(月) 9月号掲載

  大会費  5千円  昼食代、写真代 (写真不要の場合は4千円)

  懇親会  大会後 同所にて17時30分より  会費6千円

  参加申し込み   大朝 暁子方  原始林社

        〒 069―0862  江別市大麻栄町30―15


 中山周三先生歌碑記念祭

  日時 令和4年10月15日(土)午後1時 (集合は10分前までに)

  場所 北海道神宮内 中山周三先生歌碑の前

 

 ≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より      竹内 いく子

  初めて作った歌(150)    鈴木 たけ

  中山周三の歌一首鑑賞    『陸橋』から

                 倉本 京子  川口 雅子

             

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    8月28日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター 会議室A(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    8月24日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

  初心者の方も遠慮なくご参加ください

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