「原始林」の誌面より(2022年7月)

2022年7月号  

≪ 連載 ≫

歌集散策                 井原 茂明

 川野里子歌集 『天窓紀行』 ( 1 )

  川野里子は大分県竹田市生れ。結社誌「かりん」の編集委員である。若山牧水賞、

  読売文学賞を受賞。葛原妙子に関する評論集は圧巻である。

   この短歌日記が紡がれた2020年はコロナ禍初年の年であり、この文章を書いて

  いる2022年4月にあってその終息の兆しはみえていない。

   「空を見上げると何事もなく雲が流れてゆく。人間はなんと激しい旅を続けている

   ことだろう」とあとがきに記している。その旅はまだまだ続く。

  ここでは『天窓紀行』より、短歌作品及び作品各々に付記された散文を選び出し

  前半と後半に分けて紹介する。

  

   瞬間冷凍されし白さに富士ありぬ特急過ぎしホームのかなたに

   鍵穴に鍵を挿すとき空き家にはおほきなさびしい耳ひとつある

   日本をしばし離れて再会す鯵、鯖、鰯のなつかしき顔

   赤線を引きながら顔あげたればみな俯きてをり仕事する窪み

   観光バスまぼろしのやうに磨かれてだれをも乗せずどこへもゆかず

   蘇芳色ひろがる眼裏強く閉ぢわれわれは泥の大河と思ふ

   いづこにもマスクあらはれ売られをり力失せたる護符の白さに

≪特別企画≫

   風土の歌  「石狩地方の歌」

           今村 朋信    磯石 万里

「令和四年原始林大会ご案内・歌碑記念祭ご案内」

 令和四年原始林大会

    日時 令和4年10月16日(日) 受付開始9時30分

    会場 札幌アークシティホテル(JR新札幌駅直結)

       札幌市厚別区厚別中央2条5丁目6-2

       ℡ 011・890・2525

    行事 総合歌会  10時~17時

    詠草 未発表作品1首  締め切り  7月25日(月) 9月号掲載

    大会費  5千円  昼食代、写真代 (写真不要の場合は4千円)

    懇親会  大会後 同所にて17時30分より  会費6千円

    参加申し込み   大朝 暁子方  原始林社

    〒 069―0862  江別市大麻栄町30―15


  中山周三先生歌碑記念祭

    日時 令和4年10月15日(土)午後1時 (集合は10分前までに)

    場所 北海道神宮内 中山周三先生歌碑の前

 

 ≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より      有田 絢子

  歌ができるとき       菊池 正昭

  初めて作った歌 (149)   野畑 隆子

  中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

     三浦 美知子   佐藤 玲子

             

【原始林本社歌会のご案内 】

  日時    7月24日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター 会議室A(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    7月20日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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