2021年6月号の誌面より
中山周三賞受賞作品 「神田日勝」 滝野 正子
笹川の野をゆきゆけば昨日のごと遠き日のごと日勝が顕つ
破れ靴古きドラム缶絵の中に鉄錆臭ふ風のありたり
日勝はもうゐないのだ 半身の馬はいまでも絵の中で待つ
佳作 「境界」 長田 直美
「君と暮らせば」 山内 美絵
「アバウト・この一年」 笹原 子墨
「何をうたはむ」 矢島 満子
「フリーダム二〇一九」 一井 美香
原始林七十五周年記念誌 原稿募集
≪ 連載 ≫
歌集散策
北山あさひ歌集 『涯にて』 ( 2 ) 井原 茂明
北山あさひ歌集『涯にて』につき二回目の紹介である。北山は札幌在住の歌人で
あり、結社まひるのに所属している。2019年に第七回現代短歌賞を受賞している
気鋭の作家である。
〈ALIVE〉と入力すれば雨上がりアキレス腱を伸ばしに林へ ( ALIVE )
まだあおき銀杏並木の入口が出口で出口が入口 またね ( 〃 )
ちちははの壊れし婚にしんしんと白樺立てりさむらい立てり ( 無理 )
乳首を噛めば吹雪を着るようにさびしくなりぬ 永遠は無理 ( 〃 )
今日もまたあたしの家にわたくしを帰して点すこころの煙草 ( 冬の人 )
霊力のいやおうなしに高まれる蝦夷の原野の契約職員 (森を抜けて)
掌の中に小さく祈るちいさくちいさく心の果てに崖はひらけり ( 八月の崖 )
≪特別企画≫
風土の歌 「オホーツク」 浅野 大愚
≪特集≫
「動物の歌」を読む たまだ 裕子
≪ 寄稿 ≫
最近の総合誌より 東 十八子
歌ができるとき 村山 朝子
初めて作った歌 (138) 三浦 公佐子
中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から
岡崎 光子 ・ 岡本 優子 ・ 佐々木 信子
【歌会は中止】
※コロナ禍の影響で会場が利用できず、以下六月の歌会は中止となりました。
六月原始林札幌本社歌会案内
日時 6月27日(日) 午後1時
ところ 厚別区民センター(厚別中央1-5) 2階 会議室 B
詠草 雑詠1首 (ハガキ)
送り先 069-1342 夕張郡長沼町東町北1-3-14
千葉悦子
電話・FAX 0123-88-4212
締切 6月23日(水) 厳守
歌会費 300円
※ 通常、第四日曜日に開催。初心の方も遠慮なくご参加ください。
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