「原始林」の誌面より(8月)

2020年8月号の誌面より 

≪ 連載 ≫

  歌集散策  近藤かすみ歌集『 花折断層 』(3)   井原茂明

   近藤かすみは「短歌人」、「鱧と水仙」に所属する京都在住の歌人である。

  第一歌集『雲が畑まで』をもって第三十八回現代歌人集会賞を受賞している。

  今回紹介する『花折断層』は第二歌集であり、最終回、第三回を紹介させていただく。


沈丁花まず香りよく届くときまなこはまよふ垣根の辺り       (まなこはまよふ)

すきとほるペットボトルのいろはすの凹みにやどる春のひかりは   (   〃   )

あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く           (鮭の顔)

左からダウンジャケットの腕が来て白いティッシュを素早く渡す      (二月日常)

郡上へと来いよこいよと呼子鳥みどりの風にけふさそはれて       (長良川より)

けむりほどの縁あらねど星野源あかるく恋を唄ふはたのし         (九月小景)

あふむけの額より伸びて寝台の端を床へと降りてゆく髪           (石榴坂)

しばらくはGoogleEarthに残りゐむふたり子はぐくみ古びたる家     (家を殺める)

生きてゐる家を殺めて生きのびむ京の花折断層の上           (  〃  )


≪ 特集 ≫

  「戦争の歌」を読む

      筒井 裕子   西井 健治   たまだ 裕子   竹田 絹子  

≪ 寄稿 ≫ 

      最近の総合誌より                 長田 直美

      歌ができるとき                  千葉 悦子

      中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から 

                飛谷 富夫   矢部 慧子   渡部 愛

      初めて作った歌 (129)              梶原 佑倖

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【原始林札幌本社8月歌会開催のお知らせ】

     日時   8月23日(日)午後1時

     ところ  厚別区民センター(厚別中央1-5)2階 会議室

     詠草   雑詠 一首(ハガキ FAX可)

     送り先  069-1342 長沼町東町北1-3-14

          千葉 悦子  宛

          ☏ ・FAX 0123-88-4212

     締切   8月19日(水) 厳守

     歌会費  300円

     通常、第4日曜日に開催。初心の方も遠慮なくご参加下さい

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【 令和二年 原始林大会中止のお知らせ 】

     令和2年10月18日(日)

     新さっぽろアークシティホテルにて開催予定でしたが、

     新型コロナウイルス感染拡大により中止します。 

  

      選者による五首選・会員による互選は行う。

      互選方法は九月号でお知らせします。

      選並びに評は十二月号に掲載します。

  

     詠草     雑詠  一首    九月号に掲載します

     締切     7月31日(金)  必着

     追加詠草一首受付   締切8月24日(月) 必着

     宛先  〒069-0862

         江別市大麻栄町30-15  大朝暁子方 原始林社



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