「原始林」の誌面より(2024年1月)

2024年1月号  

≪ 連載 ≫

  歌集散策  

     奥村知世歌集『工場』(2)

    奥村知世は結社「心の花」に所属し、歌集『工場』は、奥村の第一歌集である。

    この歌集をもって第28回日本歌人クラブ新人賞を受賞している。四回に分けて

    紹介するその(2)


   近づけばよりひかれあう寂しさはファンデルワールス力の正体(3Lのズボン)

   3Lのズボンの裾をまるめ上げマタニティ用作業着とする  (  〃   )

   植えるべく田んぼに水は満たされて小湊線と青空映す    ( 小湊線  )

   保育園のにおいする子を風呂に入れ家のにおいにさせて眠らす(  〃   )

   死にゆく子にも触れたであろう大きな手 医師はやさしく息子にさわる(  〃  )

   ガスコンロに並べて焼かれるサンマたち海ではきっと他人であった ( 〃 )

   ベランダで息子が作るシャボン玉息子の息を遠くに運ぶ  ( シャボン玉 )

   女医たちは腹を縫いつつそれぞれの夫の話や子どもの話   ( 無影灯  )


特別作品

   白楊集会員 19名の作品  各15首

            

≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より    

         矢島 満子

  初めて作った歌(164)

         岩橋 千代子

 

 

  中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

         吉田 靖子  松嶋佐知子  髙井 勝巳

  扉

         岡本 優子

   

  第25回中山周三賞作品募集要項

                  

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    1月21日(日) 午後1時

  ところ  新札幌アークシティホテル4階(アカシア)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    1月17日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    500円

  歌会後  新年懇親会を予定しています

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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