2023年1月号
≪ 連載 ≫
歌集散策 井原 茂明
渡辺松男歌集 『牧野植物園』 ( 2 )
渡辺松男は「歌林の会」の会員であり、迢空賞をも受賞した実力派歌人である。
『牧野植物園』は渡辺の第十歌集であり、2016年の作品集である。コロナ禍以前の作品に
なる。多くを記憶と想像で詠んでいるというが、その想像の部分にどこまで近づけるか、
そして納得できるかがたのしみでもあり怖さでもある。今回は四回に分けて紹介するその
二回目。
花も木も丘もころがるはつなつのいちばんころがるこどものからだ ( こども )
正座せる若き太もも大気圧おしかへすごときみなぎりの充つ ( からだ )
淡路島に朴の花咲くゆきしことあらざるところランプのごとく ( ゑんぱう)
見しことのなきゆゑにまばゆくもみえ飛脚がゆけり雨後のまぼろし ( ゆ め )
木は舟のやうにわたしを息はせてゆつくりゆるる丘の一本 ( 息と風 )
未明にてふる雪ずつとふるだらうおもへば怖し埴輪の眼など
≪特別作品≫
白楊集作者 十七氏 各15首
≪ 寄稿 ≫
最近の総合誌より 上澤 孝二
初めて作った歌 (155) 高橋 美千代
歌ができるとき 佐々木 信子
中山周三の歌一首鑑賞 『陸橋』から
安達 万里 大谷 征子 小澤 友子
【 原始林本社歌会のご案内 】
日時 1月22日(日) 午後1時
ところ 厚別区民センター 和室(厚別中央1-5)
詠草 雑詠 1首(ハガキ)
送り先 004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703
一井 美香
連絡先 090-7657―5111 (ショートメール限定)
締切 1月18日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。
余裕をみて詠草をお送り下さい)
会費 300円
初心者の方も遠慮なくご参加ください。
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