「原始林」の誌面より(2022年5月)

2022年5月号  

≪ 連載 ≫

 歌集散策          井原 茂明

          

  高野公彦歌集 『 水の自画像 』 ( 4 )

  高野公彦は宮柊二に師事し今は「コスモス」の編集人であり朝日歌壇の選者である。

  工業高校を卒業し職に就いていたが退職し、東京教育大学文学部に学んでいる。

   歌集『水の自画像』は高野の第十六歌集であり2019年1月(令和元年)から

  021年5月(令和3年)までの作品群で構成されている。今回は4回めを紹介する。


  コロナ禍で消えた無数の灯の一つ神保町の飲屋〈酔の助〉   ( 時の疫 )

  餓鬼の眼が、観音の眼がひそやかに光る六月の洞窟の暗闇   (  〃  )

  疫病あれどこの世寧けし鳴きかたの模範のやうに鳴く鴉ゐて  (檜原村人里)

  素朴派のアンリ・ルソーよどの絵にも平安ありて死の翳り添ふ (三日月の白)

  冥府にて定家書き継ぐ〈令和二年、疫癘蔓延シ、世に失職者満つ〉(   〃   )

  分毎に暮色深まり三日月の白極まれり宇宙うつくし       (   〃   )


≪特別企画≫

   風土の歌  「石狩地方の歌」  

                千葉  悦子

≪ 特集 ≫

  書架の一冊

     宮川 桂子  小池光歌集    『 梨の花 』

     有田 絢子  馬場あき子歌集  『あさげゆうげ』

     上澤 孝二  茂吉 幻の歌集  『萬軍』秋葉四郎編著

     駒田 貴子  永田和宏『あの胸が岬のように遠かった』河野裕子との青春

     筒井 裕子  石川不二子歌集

     明 美智子  小林峯夫第三歌集 『角筈』


「私の気になる歌人」

           中田 慧子 〈 俵 万智 〉

          

≪ 寄稿 ≫

  最近の総合誌より     荒木 八洲男

  歌ができるとき      原田 哲男

  初めて作った歌      堀  昭子

  中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

                 竹内 黎子  且股 力男  齋藤 容子

        

原始林本社歌会のご案内

  日時    5月22日(日) 午後1時

  ところ   厚別区民センター 会議室A(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    5月18日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

     

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