「原始林」の誌面より(2023年2月)

2023年2月号  

≪ 連載 ≫

      歌集散策                 井原 茂明

渡辺松男歌集  『牧野植物園』 ( 3 )


渡辺松男は「歌林の会」の会員であり、迢空賞をも受賞した実力派歌人である。

『牧野植物園』は渡辺の第十歌集であり、2016年の作品集である。コロナ禍以前の作品になる。多くを記憶と想像で詠んでいるというが、その想像の部分にどこまで近づけるか、そして納得できるかがたのしみでもあり怖さでもある。今回はその三回目の紹介。


 駝鳥の卵が天で割られたやうな陽ががんがんと照り真夏熊谷    ( 炎暑 )

 めがねにはめがねの空が青くあり死にてからゆくところの広さ   ( 空  )

 石狩川海へ入らむと盛りあがりもりあがりつつ海をおしのく    ( 海  )

 知床のオシンコシンをたぐりよせ亡き妻が滝へ登る白靴      ( 滝と鳥)

 椈たちはむかし音楽だつたから名残の山女魚そこからおよぐ    ( 清流 )

 体温を発しながらに枯れてゆく草木なりや金色世界        ( 色彩学)


≪特別企画≫

    風土の歌    「 牧場の歌 」

               中田 慧子     たまだ 裕子

≪ 特集 ≫        

   「私の気になる歌人」

           丹羽アヤ子    『違星北斗歌集』『コタン違星北斗』

           西井 健治  〈 川口 常孝 〉

                『最初の風景』 『裸像』 『落日』 『兵たりき』                    

≪ 寄稿 ≫

  書架の一冊 

      有田 絢子  『よみがえる与謝野晶子の源氏物語』

                          神野藤昭夫著 

 「岩本ハルエさんを偲んで」

                 千葉 悦子

  歌ができるとき        山内 美絵

 

   中山周三の歌一首鑑賞  『陸橋』から

                 河田 道子   阿部 江津子

        

【 原始林本社歌会のご案内 】

  日時    2月26日(日) 午後1時             

  ところ   厚別区民センター 和室(厚別中央1-5)

  詠草    雑詠 1首(ハガキ)

  送り先   004-0022 札幌市厚別区厚別南1-14―10―703

        一井 美香

  連絡先   090-7657―5111 (ショートメール限定)

  締切    2月22日(水)厳守(土曜、翌日配達がなくなりました。

                    余裕をみて詠草をお送り下さい)

  会費    300円

   初心者の方も遠慮なくご参加ください

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